相場に振り回されないために、ダウ理論で相場の目線を固定化させる。「トレンドの継続」を判断する方法

ダウ理論

トレードで一番悩むのは、「上昇していた相場が下げてきたとき」「下落していた相場が上昇してきたとき」だと思います。

もしかして上昇や下落が終わったのでは?という様子を相場は見せるため、振り回されてしまうことがよく起こります。

ポジションを持っているときは、特に不安になるのがこういった相場の一時的な上げ下げとなりますね。損切りが遅れたり、せっかく出ていた含み益が減ったりチキン利食いの原因となります。

これらの問題は、相場の方向が自分の中で定まっていないからです。解決するためには、相場の方向に目線をつけることです。

「今の相場は上目線でよい」と、自分の中で確定していれば仮に大きな下落があったとしても動じずにいられますよね。チャート分析をしたときに曖昧さが完全に取り除かれることもメリットでしょう。

目線を固定化することで「今は上!」「ここからは下!」とビシッと相場を判定することができるようになります。

目線を持つことでトレンドの継続を判断できる

一番最初に判断できないといけないことは、今はトレンド相場なのかということ。これについてはトレンドの定義から判断できます。

関連記事 トレンドの定義!ダウ理論におけるトレンドとは?

次は「このトレンドはまだ継続するのか?」ということを判断しようというのが今回のテーマです。

目線をつけることで得られるメリットは大きい

目線をつけるとは「今は上目線(下目線)だ」と、目線を固定することです。

これにより、相場の一時的な上げ下げに翻弄されなくてすむようになることが大きなメリットです。

そして目線を持って相場を見ることで、トレンドが継続するか崩れたかを判断することができるようになります。

上目線だったものが下目線に切り替わったという判断は、アップトレンドの終わりにいち早く気づいたことに加え、まだ始まっていないダウントレンドの初動から仕掛ける準備ができるということです。

さらにこの目線が切り替わるタイミングは、ポジションを持っているならば利食いの位置。根拠があるなら新しいエントリーポイントですね。

「押し安値」と「戻り高値」の定義

目線のつけ方へ進む前に知っておく必要があるものが「押し安値」「戻り高値」というものです。

高値と安値の中には、特別に重視される高値と安値があります。

特別な安値である「押し安値」

押し安値からみていきましょう。

BもDも共に安値ですが、この2つの安値が持つ意味は全く違います。

安値Bは直近の高値Aを更新した安値。対して安値Dは、直近の高値Cを更新していない安値。という違いがあります。

この、「直近の高値を更新した起点となる安値」のことを押し安値と呼びます。

他の安値と押し安値は、完全に区別して見るようにしなければなりません。

特別な高値である「戻り高値」

そして、戻り高値は押し安値の説明の逆になります。

直近の安値を更新した起点となった高値」が戻り高値ですね。

こちらも、他の高値と戻り高値は区別することが大切です。

以上で目線をつけるための準備は整いました。ダウ理論を使って目線のつけ方についてみていきましょう。

ダウ理論の明確な転換シグナル

ダウ理論では「トレンドは明確な転換シグナルが発生するまでは継続する」という法則がありました。

ここで新たな疑問。明確な転換シグナルってなんですかという問題がでてきました。

トレンドについて重視されるのは高値と安値だということは、トレンドの定義からも読み取れるためうすうす感づかれているかもしれませんね。

予想通り重要なのは高値と安値です。その中でも押し安値と戻り高値です。

  • アップトレンドにおいて、押し安値をレートが下抜いたとき
  • ダウントレンドにおいて、戻り高値をレートが上抜いたとき

上記を明確な転換シグナルとし、トレンドが崩れたとする決定的な判断基準にします。

上の図のように「押し安値」「戻り高値」を完全にブレイクしたときがトレンド転換。目線を切り替えるポイントとなります。

逆を言うと、「押し安値」「戻り高値」を突破してこない限りは、どれだけトレンド方向と逆行しようが目線は変わらないということです。

目線をつけるための手順

下のような波で動く相場を考えて見ます。レンジのような複雑な動きですが、順を追ってみていけばどういった状況にあるのかわかります。

目線をつけるためのポイントは「安値」「高値」「押し安値」「戻り高値」の位置関係です。

  • トレンドを把握するために・・・「安値」と「高値」の位置関係
  • トレンド転換を把握するために・・・「押し安値」と「戻り高値」の位置関係

これはアップトレンドなのか?目線は上下どちらで見ればよいか確かめてみましょう。

高値・安値ともに切り上げており、上にトレンドがでていますね。よって上目線です。

しかしここから迷います。

DからFへは切り上げていますが、CからEへ切り下がったのです。

トレンドと言うものは継続するのではなかったのか!と言いたくなりますが、ダウ理論では明確な転換シグナルが発生するまでは継続するのでした。

ダウ理論的にはトレンドが崩れてしまった状態ですが、崩壊(トレンド転換)はしていないという状態です。よって、再び上方向への動きが出る可能性が高く、上げ止まったと考えるのは早計です。

実際の相場では本当によく発生するため、意識していてもよくわからなくなる原因ですね。

考え方としては

  • 一回り大きなトレンドは継続中である
  • 現在はトレンドがない
  • Bを下限Cを上限としたもみ合いに入った
  • 押し安値Bを下方向へブレイクしない限り上目線
  • 押し安値Bをした方向へブレイクしたらトレンド転換

という状況となります。

明確な転換シグナルとは「押し安値」「戻り高値」の考え方でしたね。

今回は高値Aを更新して最高値Cを作った起点となる安値Bが押し安値です。

押し安値の上にレートがある以上、途中過程がどうであれまだ上目線です。

この後もEを突破するもFを切り下げるという不安定な動きをしますが、押し安値である安値Bを下抜けない限りは動じる必要はありません。上目線ですから。

高値を更新したら「押し安値」の位置が変わる

ここで安値Hから高値Iへ最高値を作りました。それに伴い押し安値の位置が変わります。直近の高値Gを更新した起点の安値となるHが押し安値ですね。

高値が更新されると、押し安値の位置が変わっていくのです。

とても大切なので覚えておいて下さい。

以上のように、押し安値をレートが下抜かない限り目線が固定されるということです。オレンジ枠の中がどうなろうが上目線であり、アップトレンドは継続していると考えます。

チャートを見る人によっては見方も変わるかも

直近の高値を更新した起点が押し安値となるならば、安値Fも押し安値となるのでは?と思われるかもしれません。

ダウ理論で考えると安値Fは押し安値です。

でも私は、ここは押し安値だけど押し安値としてはみないようにしています。

DEFGで作られた小さなN字の波は、CDで作られた大きな波の中で動いているからです。

このとき注目されているのは、やはり高値Cを突破してくるのか、それとも安値Dを突破してくるのかであるため、少しだけ波を広くみることも大切かなと感じております。

このあたりは人それぞれ、考え方に基づいてトレードしていくことになるのではないでしょうか。上目線であっても買わないってことはよくあります。

ちなみにEの高値をつけた段階で、高値Cから高値Eへの切り下げとなり、上目線であるもののアップトレンドは終了しています。

高安切り上げが連続するのがアップトレンドの定義でしたよね?

現在はアップトレンドでもダウントレンドでもない、トレンドレスな状態になっているということです。もみ合いに入ったと言うほうがわかりやすいかもしれません。

ですので、上方向にも下方向にも考えられる相場状態ですが、押し安値Bをブレイクしていない以上は上目線であり、もみ合ってからの上方向への新しいアップトレンドが発生していく可能性が高くなります。

「押し安値」「戻り高値」をブレイクしても、方向を決め付けるのは危険

「押し安値」「戻り高値」のブレイクはトレンド転換ですが、即座に方向を決め付けてしまうのは危険という話です。

押し安値を下へブレイクしたため目線は下。

ここまではいいのですが、だからこれから下落していくとはなりません。

なぜかというと、下方向にトレンドがまだ出ていないからですね。こういうときに飛びつくと長い下ヒゲをつけて上方向へ戻られたりします。

押し安値をブレイクしただけでは、次の高値がどの位置で完成するかわかりません。

目線は下方向に切り替わったと考えて間違いありませんが、まだわからないという段階です。

ですので下の図のように、高値が確定することを必ず待ちます。

押し安値をブレイクし下方向へトレンドがついたとき、初めて完全に「下目線だ」となります。これで基本的に売り戦略、買おうかな?なんて迷わなくなりました。

ここまでアップトレンドを例にみてきましたが、ダウントレンドの場合もアップトレンドの考え方の逆になります。

戻り高値をブレイクするか否か、ですね。

おわりに

  • 安値と高値には特別な安値・高値となる「押し安値」と「戻り高値」がある
  • 目線を切り替える分岐点はレートが「押し安値」「戻り高値」をブレイクしたとき
  • 「押し安値」「戻り高値」をブレイクしてきたら目線を切り替えトレンド転換を疑う
  • 目線が切り替わっても、目線を切り替えた方向へ即座にレートが進むとは限らない

今回はダウ理論を使って目線のつけ方についてみてきました。頭に入れるだけでは何も変わりません、実際のチャートを使って何度も何度も繰り返して実践してみてください。

私自身、「目線」「押し安値」「戻り高値」の考え方を意識して相場に臨むことでずいぶんとトレードが安定したなと実感しています。

次回はトレンド転換について。今回すでに出てきた内容ですが、改めてまとめてみようかと思います。

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